膵臓がんとたたかうナノナイフ治療
膵臓がんとたたかうナノナイフ治療
2020.05.27


ナノナイフ治療とは細い電極針をがんを取り囲むように刺し、針と針の間に高電圧で電流を流すことで、がん細胞にナノサイズ(100万分の1㎜)の穴を開けてがんを死滅させる手術です。

この治療方は、2008年にFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を取り、ヨーロッパEUの医療器承認も取得し、がん患者さんへの治療に使われるように。
日本では森安先生ががん局所療法センター長を務める山王病院など、まだ一部の病院で治療が始まったばかりです。

この治療が優れているのは、従来の外科手術が困難だった症例でも、治療可能な場合があること、さらに患者さんの体への負担が少ないということです。

ナノナイフの電流はがん細胞だけを死滅させ、臓器の構造や血管、神経などは無傷で残せます。がんが血管を巻き込んでいるような場合、外科手術では『切除不能』でしたが、ナノナイフ治療であればこうした症例も治療が可能な場合があります。また、開腹せずに皮膚の上から超音波で患部を見て針を刺すため、出血や体への負担が少なくなります。

入院期間はおよそ10日間で済みます。
ナノナイフは手術と同じ局所の治療です。ステージⅣbの転移がある膵臓がんに対してナノナイフ治療を行っても効果が期待できません。しかし、転移病巣が小さく、膵臓がんの治療をすることで元気で長く生きられることが予想される場合は治療を行うこともあります。

現在、ナノナイフ治療は日本では公的医療保険は適用されていないため、自費の治療として行われています。今後の臨床研究が進み保険が適用になれば、多くの人を救うことができる治療法になる可能性は高く、期待が寄せられます。

治療が難しいとされる膵臓がんですが、医療の進歩により治療の選択肢は広がりつつあります。