肝臓がんとビタミンDの効果
肝臓がんとビタミンDの効果
2020.05.27

ビタミンDはサプリメントとしてさまざまな場所で入手可能であり、骨を強く保つ効果があることで知られている。日光に当たると皮膚で生成されるため太陽光ビタミンとも呼ばれ、脂肪分の多い魚、卵黄および赤身肉にも含まれている。

このビタミンDの血中濃度が高い人はがんと診断されることが少ないかどうかを日本の研究者が調査した。
中心となったのは国立がん研究センター、滋賀医科大学、および他の医療検査と併せて本研究を実施した。
結論から書くとビタミンD濃度が最も高い群は最も低い群と比較して全がんリスクが22%低いことを明らかにした。

また部位別がんリスクについてもデータを観察し、ビタミンD濃度が最も高い群は肝がんのリスクが最も低いことを明らかにした。
この研究はかなり大規模なもので、7,345人から得た調査結果が含まれている。ビタミンD濃度を一回測定し、平均15年間の追跡調査が行われた。

ビタミンDはサプリメントとしてさまざまな場所で入手可能であり、骨を強く保つ効果があることで知られている。サプリメントは、奨励用量で摂取している限り非常に安全だと考えられている。
人口全体のうちビタミンDを十分に摂取できないおそれのある集団もあり、ビタミンDサプリメントを毎日摂取するよう奨励されている。

調査内容

140,420人が参加した大規模な日本の公衆衛生学的調査から得た情報を使用。
40~59歳の成人が1990年および1993年に参加の案内を受け、2009年末まで追跡調査が行われた。
ビタミンD濃度により全参加者を4分位に分けた。

ビタミンD濃度が最も低い群と比較してがんと診断される可能性がどの程度か調査した。
ビタミンDは、春、冬よりも夏、秋に濃度が高くなる。そのため、測定した時期を考慮してビタミンDの測定値を調整した。
また、以下を考慮して数値を調整した。

・年齢・性別・肥満度指数(BMI)・余暇時の運動・喫煙・飲酒・がんの家族歴・糖尿病歴
乳がん、卵巣がんおよび子宮がんの分析では、下記を考慮して数値を調整した。
・女性の初潮年齢・出産した子供の人数・女性ホルモン剤の使用・閉経状態・閉経年齢

基本的な結果

ビタミンD濃度が最も高い群はがんを発症する可能性が低く、最も低い群と比較してがんと診断される可能性が22%低かった(hazard ratio (HR) 0.78, 95% confidence interval (CI) 0.67 to 0.91)。
胃がん、大腸がん、前立腺がんなど部位別にがんを調査したところ、ビタミンDとがん罹患率の低さとの間に統計的に有意な関連はなかった。
しかし肝がんだけは例外で、リスクに統計的な有意差が確認された。

ビタミンD濃度が最も高い群は、最も低い群と比較して肝がんと診断される可能性が55%低かった(HR 0.45, 95% CI 0.26 to 0.79)。
閉経前の乳がんはビタミンD濃度の影響を受ける可能性があるというエビデンスを確認したが、エビデンスの数が少なく、この結果が偶然の所産ではないことを確証できなかった。
全体のがんリスクの差は、ビタミンD濃度の最も低い群と二番目に低い群との間で最も大きかった。

ビタミンD濃度の最も高い群は、その次に高い群に比べて改善がみられなかった。つまり、一定濃度以上であれば、ビタミンD濃度が増加してもがんリスクは低下しないことを示唆している。

結果の解釈

ビタミンDはがんリスクを下げる可能性があるという仮説を研究結果は裏づけていると研究者は述べている。

また、今回の結果は「天井効果」を示しているようであり、がんを防ぐビタミンDの最適量を明らかにするにはさらに多くの研究が必要であると述べた。

結論

ビタミンDがカルシウムの吸収を助け、骨を強くするという既知の効果に加え、がんを防ぐ可能性があることを支持するエビデンスが本試験により示された。