飲酒に伴うがんのリスクについて
飲酒に伴うがんのリスクについて
2021.03.28

現代の日本では、日本人のうち2人に1人が一生に一度はがんになり、3人に1人はがんで亡くなるというデータがあります。

それほど日本人にとってがんとは身近な病気になっているのです。

がんになる要因として飲酒が挙げられています。
今回は飲酒に伴うがんのリスクについてお伝えしていきます。

アルコールとがんの関係性とは?

・アセトアルデヒド
お酒に含まれているアルコールは摂取された後、体内でアセトアルデヒドという有害な化学物質に分解されます。このアセトアルデヒドが細胞内部のDNAに損傷を与え、損傷の修復を妨げることでがんを引き起こします。

・ホルモン
アルコールにはエストロゲンなど体内の一部のホルモン値を上昇させる効果があります。さらに、がん細胞の中には、がん細胞増殖を促す燃料としてこれらのホルモンを利用する種類のものもあります。

・吸収
アルコールは、口腔内や咽喉内の細胞が他の発がん性化学物質を吸収しやすくしてしまいます。
あまり吸収しないほうがよいものを吸収してしまうためがんになりやすくなるのです。

飲酒によって発がんリスクの上がる部位とは?

飲酒によって1.05倍、がん罹患リスクが上がると言われています。

部位別にみると、食道が1.45倍、喉頭(咽頭と気管の狭間で、舌骨より下にあり気管より上にある、頸部中央に一つ存在する器官のこと)が1.22倍、子宮頸部が1.12倍、
口唇や口腔及び咽頭(空気・食物の通り道)が1.10倍に上がると言われています。

特にお酒の通り道になる部分の発がんリスクが上がっていることが分かります。

これは1日に日本酒1合、純アルコールにして23g相当の飲酒を10年続けた時点でのデータです。

飲酒量が増えるとその分リスクはあがってしまうのです。アルコール23gの目安は下記の通りです。

ビール大瓶1本(633ml)
日本酒1合(180ml)
焼酎25度 120ml
ワイン グラス2杯(200ml)
ウイスキー ダブル1杯(60ml)

お酒は1日1杯でも発がんリスクは上昇する

飲酒をすることで発がんリスクが上がることは以前から知られていましたが、がんと診断された患者さんを対象とした調査を実施したところ、
がん全体の発がんリスクが最も低いのは飲酒をしない人で、飲酒量が多い人ほどリスクが高く、たとえ少量の飲酒であってもリスク上昇に影響を与えることも分かりました。

例えば1日1杯のお酒を飲む生活を10年続けると、がん全体の発がんリスクは5%も上昇します。

がんを予防するためには、飲酒による発がんリスクがあることを知っておくことが大事なのです。

注意するのはお酒の量

少量のお酒であっても発がんリスクが上がることは明らかです。

ですが、いくらその事実を知っていてもお酒を完全にやめるというのは難しいですし、せめてがんのリスクが上がらない飲み方を行うと良いでしょう。

アルコールそのものに発がん性がありますしアルコールの代謝副産物であるアセトアルデヒドも、がんの原因となることが分かっています。

私たち日本人は遺伝的にアセトアルデヒドの分解能力が低い人が一定数います。

ですから少量でもアルコールの影響を受けやすいのです。

このことから、飲み始めた年数から今に至るまでどれだけアルコールを飲み、そのリスクにどれだけさらされてきたかが重要となります。

1日1合程度という適量を目標に、飲む量を減らしましょう。今まで飲んできたアルコールの総量に注意し、今飲んでいる量より少しでも減らすことを目標にしてください。

お酒を飲むことを習慣化せずに休肝日を作ってみてください。

飲酒とタバコの関係性

タバコに含まれる発がん性物質の固まりであるタールは、アルコールに溶けやすい性質を持っています。

アルコールの摂取のしすぎとタバコを吸うこと、それぞれががんになりやすい要因となっていますが、飲みながらタバコを吸うことで体内へのタールの吸収率が増大し、発がんリスクを高めてしまうことになるのです。

ですので、タバコを吸う人と吸わない人では、飲酒量が増えることでのがんの死亡率や発がん率があがってしまいます。

そもそもアルコールを摂取すると脳が錯覚を起こしてしまい、タバコをもっと吸いたい!と感じてしまいますし、理性をコントロールする力が弱まるので、禁煙していても1本だけなら吸ってもいいかなと意志が弱まってしまいます。

飲酒量を抑えて理性を保つことが大切です。

まとめ

アルコールは大人にとって身近なものです。ですが、限度を超えて飲むと発がんのリスクが高まってしまいます。

休肝日を作りアルコールの摂取量をへらすこと、飲む場合には1日1合程度という適量を目標に、飲む量を調整しましょう。

また、タバコを吸う方は飲酒中にタバコの量が増えないように注意してください。アルコールとは適切に付き合うようにしてください。