漢方を利用したがんの治療法について
漢方を利用したがんの治療法について
2020.09.07

そもそも漢方とは

漢方とは様々な生薬の組み合わせによってその人それぞれの体質に適した体の症状に対応できるものです。
また漢方薬と漢方にはそれぞれ違いがあり、「鍼灸や食養生も含めた医学」を漢方と言い、「漢方医学の理論に基づいて処方される医薬品」のことを漢方薬と呼びます。

漢方は基本的に人間の体も自然の一部という考え方で、薬のように病気にだけスポットを当てて治すのではなく、体質や生活習慣などから見直し、整えていきます。

西洋薬である現在の薬は、本来は体がするべき働きを薬が代わり行い、その後、元の状態に戻っていきます。
一方、漢方薬での治療は体本来が持つ働きを高めるように作用し、体自身の力で正常な状態をつくりだそうとするものです。

漢方の歴史は

漢方は中国から伝わった後、日本に置いて発展して行った伝統医学です。もともとは中国で生まれた中国医学を6世紀ごろから輸入してきました。

当時は中国の漢方医学をそのまま受け入れていたものの、日本人の体や気候に合わせて日本流に改良されてきました。これにより、診断方法や漢方薬の選び方などが発展し、独自の進化を遂げてきたのです。

がんと漢方

現在では最初から漢方のみでがんを治療する、ということはありません。
がんは現在西洋医学の治療方法を主軸に治療を進めていくことが基本となります。

しかしその中でも漢方による治療法は転移、再発防止、維持療法などの主な役割をもち、その中でも漢方は化学療法や放射線治療の副作用を軽くしたり、手術の後の体力回復の補強として活躍できます。

がんは再発を何回か繰り返してしまうと西洋の医学では治療法がなくなってしまいます。
このような患者さんに漢方治療を行うことで再発さえしなければがんとの共存でき、延命できるのです。

漢方はがんに効くのか

治療作用についてははっきりとした数字が出ていないため、効き目があるという言い切りも効き目がないという言い切りも困難です。

漢方におけるがんの治療作用として期待できるのは西洋治療における効果の上乗せや、がんの冬眠の可能性です。
余命数ヶ月と言われたがんが何年も再発していないケースなどはこのような可能性が考えられます。
抗がん作用のある生薬の併用は化学療法のようは副作用がないためおすすめです。しかし、その分、保険が効かないため自費になります。

実際に使用されている代表的な漢方薬

大建中湯


がん手術後の腸管の癒着、腸管運動不全を緩和する効果が見込まれ、広く知られている漢方薬になります。冷症でお腹をこわしやすい人に身体をあたためて胃腸の調子を改善することに一般的に使用されることが多い漢方薬になっています。

半夏瀉心湯


抗がん剤や放射線治療の際に発生する口内炎や下痢などの体の不調に効果が認められている漢方薬です。一般には、吐き気や食欲不振等の、胃腸炎や二日酔いに用いられている漢方薬です。

六君子湯


抗がん剤による嘔気や食欲不振に用いられる漢方薬です。
六君子湯は作用機序の解明が進んでいる漢方薬の一つで、構成する生薬が食欲増進ホルモンの働きを高めることが認められています。 胃食道逆流症などでも処方されている漢方薬です。

補中益気湯・十全大補湯・人参養栄湯

化学療法や放射線治療による体力低下・全身倦怠感に用いられます。補中益気湯の免疫機能 改善、十全大補湯の貧血改善などの研究報告があります。

牛車腎気丸・ブシ末


抗がん剤の副作用の一つとして現れる末梢神経障害(手足のしびれ・痛み)に用いられ、 一部において効果があることを認められています。
がん治療を受けるよりもQOLの維持を優先することを選んだ時やがん治療を続けられなくなった時にも、体力の増進などに漢方は役立つことがあるとされています。

しかし、がん治療の支持療法としてまだ漢方薬を強く推奨するには裏付けが少ない状況です。

漢方を利用したがんの治療法についてのまとめ

漢方におけるがんの治療は西洋医学と異なり、薬などを用いらず、体のバランスを整えながら、体の中にある全身の歪みを治していく総合的な治療法です。
また西洋医学と異なり、副作用がなく、むしろその副作用を抑える働きがあります。それぞれの医学の得意分野を組み合わせ、併用することでよりよりがんの治療が見込めるのです。

漢方を用いたがん治療を行う際には今の体全体の状態を把握し、考えた上で使用していきましょう。ぜひ漢方を用いたがんの治療法を試してみませんか?