サイトカイン療法について
サイトカイン療法について
2020.11.18

サイトカイン療法を聞いたことはあるでしょうか?

サイトカイン療法とは免疫療法の一種です。

今回はそもそもサイトカインとは何なのか、サイトカイン療法についてお伝えしていきます。

サイトカインとは?

サイトカインはタンパク質で出来ているものです。主に白血球などの免疫系の細胞から合成や生成、分泌されます。

サイトカインの主な役割は免疫細胞に働きかけて免疫細胞を活性化したり、免疫細胞を呼び集めたりすることです。

さらに呼び集められた免疫細胞が、同じようにサイトカインを使って他の免疫細胞に働きかけてくれます。
このようにサイトカインは、免疫細胞との仲介役をすることでがんや病原体などとの戦いに役立ってくれるのです。

もう少し詳しく伝えると、免疫細胞から合成や生成、分泌されたサイトカインは、その近くにある免疫細胞を含む他の細胞に作用して、増殖や分化、活性化、細胞死を起こすように促してくれます。免疫細胞に対してはがんや病原体にたどり着くように誘導します。

因みに、自給自足的な形で産生・分泌した細胞自身にサイトカインが作用する場合もあります。

サイトカインの分泌される量は極めて微量ですが、様々な役割があります。

・連関

「サイトカイン」同士で互いに連なり続いたりする作用を持ち、ネットワークを形成する。

・協調

「サイトカイン」が結成しているネットワークによりお互いが協力したりする。

・拮抗

時にはある「サイトカイン」の作用を他のサイトカインが阻害してしまうこともある。

・多機能

1つの「サイトカイン」に対して複数の役割を担っている場合が存在する。

・重複

逆に、複数の「サイトカイン」が似たような役割を担っている場合もある。

このようにサイトカインの役割は複雑で多岐にわたります。

しかし、そのお蔭で様々な免疫反応が円滑かつ安定的に進み、必要がなくなれば速やかに反応が終息するのです。

サイトカイン療法とは?

前述の通り、サイトカインは免疫療法の活性化や機能抑制などに関わる重要な役割を担っています。そのサイトカインを用いた療法がサイトカイン療法です。
サイトカインを用いた療法にはサイトカイン療法と抗サイトカイン療法の2種類があります。

サイトカイン療法

サイトカイン療法はこの身体によいとされているサイトカインを精製し、体内に投与する療法です。
精製および組み換え技術を用いて製造されたサイトカインを使用し、がんやC型肝炎などのウイルス性肝炎を治療します。

現在までにインターロイキン2とインターフェロン (インターフェロンα、βおよびγ)が承認されています。

インターロイキン2はT細胞から合成や生成され、T細胞やNK細胞の増殖や活性化を誘導する因子として発見されました。血管肉腫や胃がんに適応が取得されています。

インターフェロンはウイルスの増殖を抑制する物質として発見されており、免疫細胞だけでなく、血管内皮細胞など多くの細胞から合成や生成されることが知られています。
ウイルスに対する効果だけではなく、がんに対する直接的な効果や免疫細胞を介した抗腫瘍効果が認められています。

現在では、腎がん、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、ヘアリー細胞白血病、膠芽腫(こうがしゅ)、髄芽腫(ずいがしゅ)などに適応が取得されています。

サイトカイン療法の欠点として、その作用が強力であることが挙げられます。
対象部だけに作用させることができれば良いのですがそれは難しく、サイトカインは全身にまで行きわたってしまうため副作用が起きてしまいます。

そのため、現在ではサイトカインそのものを薬剤として使用している例は限られています。

抗サイトカイン療法

抗サイトカイン療法とは、先述の通りサイトカインの作用をブロックすることで効果を発揮する治療法のことです。サイトカインのブロックには抗体を用います。この抗体がサイトカインの作用を無力化するのです。

サイトカインは自己免疫疾患と関連しています。その代表例である関節リウマチには炎症性サイトカインが深く関わっています。

炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子やインターロイキン1およびインターロイキン6は、リウマチの炎症に関わるサイトカインの誘導を介して関節の腫れや骨の破壊に直接関与していることが分かっています。

その中でも腫瘍壊死因子αが中心的な関りを持っていることから、この腫瘍壊死因子αを阻害する抗腫瘍壊死因子α抗体による治療法が確立されました。その他にもインターロイキン1阻害剤やインターロイキン6阻害剤も関節リウマチに適応を取得しています。

がん治療としての用いられ方

サイトカインには前述の通り様々な作用がありがん治療にも免疫療法として一部のがん治療で取り入れられます。

サイトカインを体に投与して、免疫細胞のがんに対する攻撃力を高めることを目指しているのです。

サイトカインには様々な作用があり、がん細胞を抑制する効果も望まれています。
研究によってさらにサイトカインについてわかり、がん治療に用いられることを期待し待ちましょう。