コロナ禍におけるがん治療について
コロナ禍におけるがん治療について
2021.07.03

現代の日本では2人に1人が一生のうち一度はがんになり、3人に1人が、がんで死亡すると言われています。それほど日本人にとってがんは身近な病気になっています。

現在、がん治療をしている方もいらっしゃるかと思いますが、新型コロナウイルス(以下、コロナウイルス)への感染を防ぐために、外出を伴うがん治療の開始や継続を悩んでいる方もいらっしゃいます。

今回はコロナ禍におけるがん治療についてお伝えしていきます。

がん治療の遅れで死亡リスクが上昇するという研究結果がある

カナダのクイーンズ大学の研究によると、がん治療が4週間遅れると死亡リスクが約10%も上昇する可能性があると示されました。

また、治療が8週間から12週間遅れると、さらに死亡リスクは上昇、乳がんでは8週間の遅れで約17%、12週間遅れると26%死亡リスクが上がると推算されているのです。

もちろんこの研究結果がすべてのがん患者さんに当てはまるわけではありませんが、がんは種類や悪性度によって急速に進行するものもあります。定期的な経過観察や状態の確認、主治医との相談が必要不可欠です。

コロナウイルス感染中がん治療

手術

コロナウイルスに感染している方は、よほどの緊急でなければ手術によってコロナウイルスの症状が悪化して、致死的になる危険性があるので延期した方がよいと言われています。
また、手術後1か月以内にコロナウイルスにかかった患者さんは重症化しやすいという報告もありますので、細心の注意が必要です。

放射線治療

放射線の局所照射で、感染に対する免疫力が大きく低下するという科学的根拠やコロナウイルスによる肺炎が重症化しやすくなるとの報告はありません。
ですが、抗がん剤を併用した化学放射線療法では、免疫力が低下する可能性があります。また、照射法や線量により、胸部への照射で放射線肺臓炎になる可能性があり、これとコロナウイルスが重なると、重症化のリスクが高くなる可能性は否定できません。

抗がん剤治療

抗がん剤の使用で免疫機能の低下を引き起こす場合があります。
コロナウイルスの診断から14日以内に抗がん剤治療を行うことで、重症化のリスクがあるとも言われています。

外出時には感染対策をする

治療を遅らせることで死亡リスクが上がると分かっていても、コロナウイルスへの感染が怖いことには変わりありません。
まずは自分でコロナウイルスへの感染対策を行うことが大切です。

・密集、密接、密室の3密を避ける
・人との安全な距離を保つ(ソーシャルディスタンス)
・こまめに手を洗い、手指消毒用アルコールで消毒を行う
・マスクを着用する
・接触確認アプリをインストールする
・極力外出をしない

を徹底してください。

また、外出時には

・検温をして外出をする
・電車やバスが混んでいる時間を避けて公共交通機関を使用する
・人が多い場所に行かない

を徹底してください。

病院の感染対策を確認する

がん治療の影響や身体の状態によって免疫力が低下している場合、コロナウイルスを含めた感染症リスクが高まる可能性があります。

がんを発症しているからと言って感染リスクを高めるわけではありませんが、少しでも安心してがん治療を行うために、がん治療を行っている病院の感染症予防対策を確認しましょう。

現在では多くの病院が病院で行っている感染症対策をホームページに記載しています。コロナウイルスの対策ができていれば、他の感染症も防ぐことができます。

治療できる病院を自分で選び、安心して治療を行ってください。

がん治療中のコロナウイルスワクチンの接種に関して

現在、コロナウイルスワクチンの接種が開始されました。治療中で様々な疑問や不安があるかもしれませんが、がん治療中の方や経過観察中の方もワクチンを接種して問題ありません。他の方と同様に安全に接種することができます。

がんの治療方法とコロナワクチンの接種時期の関係も今の所分かっていないため、基本的にはコロナワクチンを摂取できるタイミングで接種を行いましょう。
コロナワクチンは生きた新型コロナウイルスを含むワクチンではないので、接種が原因でコロナに感染をすることはないので安心してください。

もし、不安な場合は主治医に相談をしてください。

がん治療中にコロナウイルスに感染したら

もし、コロナウイルスへの感染が疑われる場合には、いつもどおり病院に行くことは絶対にやめてください。他の人に感染させてしまい、クラスターを起こしてしまう可能性もあります。

まずは治療を受けている病院の主治医に電話等で状態を知らせてどのように対応するべきか確認をしてください。現在の治療内容や病状を鑑みて、判断をしてくれるはずです。

また、必要に応じて住んでいる地域の保健所やコロナ対策を行っている相談センターにも必ず連絡をしてください。

必ず主治医に相談する

どうしても外出が怖い場合や今後の治療で悩んでいる場合には、自分で判断をするのではなく必ず主治医に相談してください。
現在の治療の状況や身体の状態によって判断をしてくれるはずです。

どうしても主治医への相談が難しい場合にはセカンドオピニオンを活用するなど、絶対に自分一人で悩んだり決めたりせずに、必ず医師に確認をしてください。

また、病院によっては電話による相談を受け付けているところもありますのでぜひ活用してください。