がんワクチンについて解説!
がんワクチンについて解説!
2021.05.26

現代の日本では2人に1人が一生のうち一度はがんになり、3人に1人が、がんで死亡すると言われています。

それほど、日本人にとってがんは身近な病気になっているのです。
身近な病気だからこそ、普段の生活からできる予防をしていくこと、治療法を知っていることが大切です。

今回はがん予防ワクチン、がん治療ワクチンに関してお伝えしていきます。

がんワクチンとは?

がんワクチンは身体ががんと戦うのを助ける療法です。がんワクチンには予防ワクチンと治療ワクチンの2種類あります。

がん予防ワクチンは特定のがんが発症するのを予防するため健康な人に接種します。水疱瘡またはインフルエンザに対するワクチンのように、病気を起こすウイルスから身体を守るのです。

がん予防ワクチンはウイルスが感染する前に接種しなければワクチンの効果は得られないので、事前の接種が大切です。がん治療ワクチンはがんになった際にできる治療法です。身体やがんの状態に応じて医師に相談し、受けることができます。

日本で受けられるがん予防ワクチンとは?

日本で受けられるがん予防ワクチンは下記の2つです。

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン


ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンはヒトパピローマウイルスによる感染症を予防するワクチンです。
ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんや膣がん、外陰がん、肛門がん、咽頭がんなどのがんや尖圭(せんけい)コンジローマなどの原因となるウイルス感染症です。

いずれも性交渉を行うことが感染経路となっており、中で子宮頸がんは40代未満の女性で2番目に多いがんです。子宮頸がん検診を受けることや子宮頸がんワクチンを打つことで予防になります。

B型肝炎ワクチン

B型肝炎ウイルスワクチンは、B型肝炎ウイルス(HBV)を予防するワクチンです。
B型肝炎ウイルスは身体の中にいる期間が長いと、急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変、肝がんになる可能性が高くなる感染症です。B型肝炎ウイルスはウイルスが含まれる感染症の血液、体液が他の人の身体に入り込むことで感染します。

子どもの場合は、免疫が未熟のため傷口から偶然感染する場合もありますし、成人の場合は性交渉で感染をしてしまうのです。こちらもB型肝炎ワクチンを打つことで予防になります。
【B型肝炎についての参考サイト】 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137555.html

日本で受けられるがん治療ワクチンとは?

がん治療ワクチンは人間が本来もつ免疫の力でがん細胞を攻撃、排除するというがん免疫療法の一つです。

がんワクチンにはペプチドワクチンと樹状細胞ワクチンの2種類があります。

ペプチドワクチン療法

ペプチドワクチン療法は、がんの抗原を直接体内に注射するワクチンです。体外で加工した細胞(がん細胞)や遺伝子(DNAやRNA)、タンパク質、ペプチドなどをワクチンとして投与する治療法です。ペプチドワクチンを注射することで、人が本来持っている免疫機能が異常を察知し、がんの抗原をターゲットに攻撃してがん細胞を死滅させるという仕組みです。

がん抗原を注射して、体内の免疫の働きに期待する治療法ですが、患者さんの体内では、既に免疫機能が低下している場合が多く、効率良く十分にがん細胞を攻撃できていない可能性もあります。

樹状細胞ワクチン療法

樹状細胞ワクチン療法は、患者さんの身体から免疫細胞の1つである樹状細胞の元になる細胞を取り出して培養し、人工的に樹状細胞へと成長させるワクチン療法です。
樹状細胞は体内に入ってきた異物の特徴を攻撃役の細胞に伝える働きを持つため、がんの抗原を覚えさせて、免疫システムの司令塔として働くように教育します。この樹状細胞をワクチンとして注射することで、体内でも確実にがんに対する反応、攻撃を起こさせるのです。

樹状細胞はリンパ球を指導して、さらに活性化させるため、がんに対する効果が高いと考えられています。
樹状細胞ワクチンには、がんの目印としてほぼすべてのがんに対して使用できる人工抗原を使うことで治療できる人工抗原樹状細胞ワクチン、がんの目印として手術などで取り出した患者さん自身の新鮮ながん組織を使用する自己がん組織樹状細胞ワクチン、がんの位置が直接注射できる場所にある患者さんが対象となり、体外で作製した樹状細胞を、がん組織に直接注入する局所樹状細胞ワクチンがあります。
https://www.j-immunother.com/news/131212_01-html

まとめ

日本にもがん予防ワクチンのヒトパピローマウイルスワクチンとB型肝炎ワクチン、がん治療ワクチンとしてペプチドワクチン療法、樹状細胞ワクチン療法があります。

予防ワクチンは接種する年齢が決まっているものもありますので、対象年齢になったら接種するようにし、幼い時期に受けるものもありますので、保護者の方は必ず受けさせてあげるようにしましょう。

治療ワクチンはがんにならなければ受けなくても良いものです。

一生受けなくて良ければそれに越したことはありませんが、がん治療ワクチンという治療法がある、ということを覚えておき、もしもの際の選択肢の1つとして覚えておいてください。