がんとたばこの関係性
がんとたばこの関係性
2021.01.07

施設や飲食店での完全禁煙化が進んでおり、成人男性の30%まで喫煙率が低下していると言われており、特に20代の喫煙率が低く、若者の嫌煙化とも言われています。

これは「たばこは身体に悪い」「たばこを吸うとがんになる」というイメージが定着している結果であると言われています。

実際にたばこを吸うと発がんのリスクは高まるのでしょうか?

今回はがんとたばこの関係性についてお伝えしていきます。

たばこの成分とは?

たばこの煙には、4000種類の科学物質が含まれており、その中には200種類の有害物質、70種類以上の発がん性物質が含まれていると言われています。

よく知られているたばこの成分は、ニコチン、タール、一酸化炭素です。
ニコチンには高い依存性があると言われています。

その他にもペンキ除去剤に使われるアセトンや、アリの駆除剤に含まれているヒ素、車のバッテリーに使われているカドミウム、ライター用燃料に含まれるブタン、工業溶剤に含まれるトルエンなど、体に有害な物質がタバコの煙に含まれています。

がんとたばこの関係性

たばこを吸うことで、発がんのリスクは高まると言われています。

たばこには有害物質や発がん性物質が含まれているので至極当然のことと言えるでしょう。

たばこの煙を吸い込んだ際に真っ先に煙が通る口やのど、肺、血液中に吸収された有害物質が通るが通る肝臓や膀胱、腎臓、唾液に溶けた発がん性物質が通る食道や胃なども発がん率が高くなるとされています。

たばこの成分が入る場所、通る場所、吸収される場所は発がんのリスクが高くなるということです。
たばこによってリスクが高くなるがんは下記のとおりです。

肺がん

たばこと言えば思い浮かべる肺がん。肺は、吸い込んだたばこのけむりに直接さらされるため、けむりによって肺細胞の遺伝子が変異を引き起こし、がんを発生させやすいということが分かっています。

また、長期間に渡る研究で喫煙指数(喫煙年数×1日の喫煙本数)が高いほど肺がんの発症率が高くなり、禁煙すると発症リスクが低減することが示されています。
このことからも、たばこは肺がんを引き起こすと言うことができるのです。

口腔がん、咽頭がん、喉頭がん

口やのども肺と同じくたばこの煙に直接さらされます。口やのどの粘膜が長期間に渡って発がん性物質を含んでいるたばこの煙にさらされると、遺伝子が傷つくことが分かっています。

また、口やのどは、がんの前段階である「前がん病変」も出来やすくなっており、さらにたばこを吸い続けることでがんになってしまうことが多いとされています。

胃がん

胃がんはたばことも密接な関りがあり、胃は発がん性物質が溶けた唾液などにさらされることから、がんを引き起こしやすい場所であると言われています。

たばこに含まれる発がん性物質の中には、がん抑制遺伝子にダメージを与えてがんを引き起こしやすくなることが分かっています。

肝臓がん

肝臓は血流が非常に豊富な臓器であるため、血中に含まれた発がん性物質にさらされやすい臓器です。その上、発がん性物質の中には肝臓で分解されるものもあるため、肝臓は長期間に渡って発がん性物質の被害を受けることになります。

その結果、ダメージを受けて発がんを促すとされています。また、たばこのけむりに含まれる炎症性物質によって肝硬変のリスクが高まるから将来的な肝臓がんの発症率も上昇させるとの報告もあります。

膀胱がん

尿が蓄積される膀胱には、尿と共に排出される発がん性物質が多く含まれます。
その結果、発がん性物質が膀胱内壁の細胞の遺伝子にダメージを与え、がんを引き起こすのです。

また、膀胱がんを引き起こす主な発がん性物質であるBアリルアミンを代謝する酵素は欧米人よりも日本人の方が代謝速度の速いタイプが多いため、たばこによる膀胱がんの発症率は欧米人の方が高いことも指摘されています。

受動喫煙でも発がんのリスクがある?

喫煙者が吸っている煙や吐き出す煙にはニコチンやタールはもちろん、たくさんの有害物質が含まれています。

受動喫煙による肺がんのリスクは1.28倍(28%の上昇)と言われており、がん以外にも虚血性心疾患のリスクは1.3倍(30%の上昇)、脳卒中のリスクは1.24倍(24%の上昇)と報告されています。

たばこを吸っているより、受動喫煙のほうが健康被害が大きいとされています。なぜなら受動喫煙で吸い込む煙のほうが多くの有害物質を含んでいるためです。非喫煙者の方はできるだけ副流煙を浴びないようにすることが大切です。

少したばこの臭いを感じたときにはすでに副流煙を吸っています。喫煙所に近づかない、喫煙者が家族にいる場合には喫煙場所を変えてもらうなどの対応を行うようにしましょう。

まとめ

たばこががんの発症率を高めるのは誰でも知っていることです。科学的に因果関係が証明されているがんも多く、今後研究が進む中でさらに因果関係が証明されるがんが増えるかもしれません。

たばこを吸うことでがんのリスクは高まりますし、禁煙をすることで発がんのリスクを下げることも可能です。

百害あって一利なしと言われているたばこ。現在喫煙中の方が禁煙に挑戦してみてはいかがでしょうか。

たばこは依存性が高いため、一人で行うことが難しい場合には、禁煙外来などもうまく利用してみましょう。